顧客の方を向くのは難しい

顧客の方を向くのは難しい
東白川村のイベントは、5月つちのこフェスタ、8月夏祭り、9月地歌舞伎、12月お松様。このうち私が今年関わるのはお松様以外の3つ。つちのこフェスタは商工会青年部員としてのお手伝いだけなのだけど、夏祭りは主催で、地歌舞伎は会場前バザーの担当になった。
会場の設営計画にあたって、毎年思うことは、「運営者が顧客の方を向いていないことは、すぐにわかる」ということ。例えばつちのこフェスタでは、授乳室は準備されるけど、きれいな女子トイレは追加されたりしない。一番まともなのは、役場別館2階のトイレなのだけど、ここまで行くのに徒歩10分はかかる。つちのこ探している場合ではない。そしてここも並ぶ。
こういう小さいことを、重箱の隅をつつくように、役場に提案していくことは、果たして、私にとっても役場にとってもいいことなのだろうか?と、近年は考えるようになってしまった。なぜならば、どうせ反省点として上げても、結局は次年度に解決しないからだ。反省点を解決しないならば、反省会は不要である。反省点が一部でも解決するならば仕方ないとは思う。優先順位の問題に変わるからだ。
一応、私の個人的な意見としては、生理的なものは最優先であるという認識だ。特に、トイレ、手洗い(化粧室)、水分補給、飲食物、食事処の5つ。衛生観点から見ても、混雑具合から見ても、この5つを押さえた上でしか、「楽しい」は生まれないのだ。もしこの世で、おなかすいてトイレに行きたい状態でジェットコースターを心から楽しめる人がいたら紹介してほしい。その人には、おなかすいてトイレに行きたい状態でジェットコースターが途中で止まって、降りたときにキャストの方から「途中で止まってしまったので、もう一度乗車できますが、いかがでしょうか」と言われる呪いをかけておく。
トイレ、手洗い(化粧室)、水分補給、飲食物、食事処という観点で見ると、つちのこフェスタは、トイレ△、手洗いはあるけど化粧室がないので×、水分補給は無料の水道が無いので×、飲食物はキッチンカーなどがあるので○、食事処はテーブルが少ないので×。この状態で、どんなにつちのこ狩りが楽しくても、マス掴みが楽しくても、一見さんには難しいイベントになる。2回目の参加の人たちは自己防衛していて、草むらにワンタッチテントをはって食事処を自分で作り、ペットボトルの水を2リットル用意し、ママ達はお化粧はもう諦めて、トイレもできるだけ行かなくても大丈夫なように工夫する(食事を控える)し、イベント終了時に駐車場まで歩くときに、役場別館2階に行くのである。
ここまで書けば、「あーこのお母さんは来年も来てくれるだろうな。だけど準備しっかりさせるんだろうな」と思ってもらえるだろう。このお母さんが近所の公園に行くくらい気軽にイベント参加できるようになれば、その時初めて、良いイベントになるのではないかと思う。ま、公園のトイレもけっしてきれいではないのだけど。
こうやって考えると、夏祭り、地歌舞伎も、相当ひどい状況なのだ。夏祭りは15時開始のイベントなのと、地元の人しかいない点を考えると、つちのこフェスタよりも多少点数は高い。地歌舞伎は、トイレがきれいな「はなのき会館」でやるので、トイレ、手洗い(化粧室)が◎、水分補給△、飲食物△、食事処△である。
あと、これらのイベントに対する公共交通が無いということも、本来ならばイベント運営者が考慮しないといけない点だ。
私が関わるあと数年の間に、これらが全部○以上になることが目標と言える。そして、その土台の生理的なことへの対応の安心感が、次にもう一度来てもいい度合いを決めるのではないかと思う。

著者

檜の里の片隅に庵を結び、世の移ろいを眺めながら暮らす物書き。
……というのは半分冗談。
地方で暮らしながら、事業、法律、政治、経済、IT、アニメ、本など、興味のおもむくままによしなしごとを綴っています。
専門家でも評論家でもありません。
日々の暮らしの中で考えたこと、学んだこと、面白かったことを忘れぬよう記録しているだけです。
昨日の自分と今日の自分が違うように、ここに書かれた考えも変わっていくかもしれません。
それもまた人の営みとして、ご笑覧いただければ幸いです。

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