平調音取

平調音取
移住先の地域の神社の伶人に誘われて篳篥を吹き始めて3年目になった。私は独学で篳篥を吹くには限界があるなと思って、岐阜市で開催されている龍笛・篳篥教室に通うことにした。平調音取は、「トヲロルロ」という音楽で、祭事の最初に吹く。この音がとても美しい。将永さんがふく笙の音がぷあーっと響いて、篳篥が「トヲロルロ」と吹く。龍笛が続く。本来なら琴や琵琶が入るそうだけど、うちの神社は龍笛・篳篥・笙・太鼓の4つだ。雅楽の譜面も、3年目にして少し慣れてきた。トはエの音を出す。そういうのがちょっとわかってきた。唱譜が大事とか、そういうのも少し慣れてきた。今が一番楽しいかもしれない。
先日、先生から蘆舌の材料をいただいた。私は伶人の先輩からもらった小刀しか持っていないのだけど、この材料で蘆舌を作る日が待ち遠しい。
神社では、平調の音取・越天楽・五常楽急と、舞の豊栄舞・浦安舞を吹く。まだ肺活量とか頬の筋肉とかが足りてなくて、浦安舞を吹く頃には音が出なくなってしまう。今年の例大祭はどうだろうか。
先生から蘆舌を1ついただいた。最初硬くてぜんぜん音が出なくて、2時間半の授業のうち、2時間くらい音が出ない。少しずつ削っていって、ようやく私でも音が出るようになってきた。前回の授業では1時間半くらい音が出せた。最後、いろんな調の音取を吹いたのだけど、初めて壱超調などの音取を吹いた。とてもきれいなのだ。雅楽は、なんだろう、田んぼに合うというか、山に合うというか、日本の風に、雲に、草木に合う気がする。

著者

檜の里の片隅に庵を結び、世の移ろいを眺めながら暮らす物書き。
……というのは半分冗談。
地方で暮らしながら、事業、法律、政治、経済、IT、アニメ、本など、興味のおもむくままによしなしごとを綴っています。
専門家でも評論家でもありません。
日々の暮らしの中で考えたこと、学んだこと、面白かったことを忘れぬよう記録しているだけです。
昨日の自分と今日の自分が違うように、ここに書かれた考えも変わっていくかもしれません。
それもまた人の営みとして、ご笑覧いただければ幸いです。

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